1.C言語の誕生
ごちゃごちゃのOS
手作りのOSとBCPL言語
UNIXをCで書き直した人
UNIXとCの普及
Cの標準化



ごちゃごちゃのOS

昔,IBM360という汎用大型コンピュータがあってね。
そのOSを作るとき,みんなで寄ってたかって,
やっとのことで作ったもんだからさ,
何が何だかわかりゃしない。

ごちゃごちゃで,
作った会社の担当者しか分からなくなってしまって・・・
それで,大学でコンピュータを教える先生たちが
困ってしまったんだって。

手作りのOSとBCPL言語

そしたらね,捨てる神あれば救う神ありってね。
DECって会社が,大学に裸のコンピュータを貸したり,
安くで提供し始めてね。

そのコンピュータは,PDP7っていうミニコンです。
パソコンなんかない時代だから,
「ミニ」と言っても結構でっかいんだよ。

アメリカにマーチン・リチャードという大学の先生がいてね。
「手作りのOS」を作り始めたんです。

まず,システムを記述するために設計した言語が,
BCPL(ビーシーピーエル)っていう言語。
この種の言語を「システム記述用言語」といいます。

機械語に近いところを記述するための言語が,
アセンブラじみたBという言語。
この言語はケン・トーマスという先生が作りました。

このBで書かれたPDP7上の手作りOSが,UNIXのルーツです。

   

UNIXをCで書き直した人

そして,その頃,流行っていたオランダのダイクストラ先生の
「構造化プログラミング」の考え方を取り入れて,
1973年にシステム記述用言語を作った人がいました。

AT&Tベル研究所のデニス・リッチーという先生です。
デニス・リッチー先生は,BCPLの2番目の文字をとって,
「C」と名付けたのです。

UNIX自体がOSを分かりやすいものにしようという
試みですから,B言語で書かれたUNIXを
全部C言語で書き直してしまったのです。

UNIXは,メーカから独立した研究グループが中心になって
作ったOSってわけです。


UNIXとCの普及

それで,大学や研究機関など,いろんなところに
実費程度の負担で配布されたのです。
アメリカでは,プライベイトOSとして研究用や勉強用に,
急速に広がってしまったのです。
(これがフリーウェアの走りですね)

UNIXが広まるにつれて,C言語も広まったってわけ。
1978年には,ブラインアン・カーニハン先生と
開発者のデニス・リッチー先生が共著で,
「The C Programing Language」という本を出しました。

古い人は覚えておられるかと思いますが,
邦訳は東大の石田晴久先生が出しましたね。

C言語が広まるにつれて,
C言語を色々な機種に乗せるための工夫を編み出した
ホワイト・スミスのような人もいました。
この工夫については,本講座の目的にあいませんから
やめておきます。

      

Cの標準化

Cは言語設計上は,そんなにきれいな言語ではありません。
構造化プログラミングの考え方を反映したっていうのなら,
むしろPascalのほうがきれいたど思います。

しかし,美人がもてるとは限りませんね。
何でもかんでも八方美人のPL/Iも,もてませんでしたね。

まっ,明るく,適当な範囲の人に好かれる人が,
もててしまうのです。Cって,そんなところがあります。

1983年には,米国の標準規格を決める委員会が
ANSIで発足しました。

みんなでよってたかってきれいにしようっていうんですね。
私としては,
バラエティがあった昔のほうが楽しかったのですが・・・。

最近のCの処理系の多くは,
1988年末に提出された米国標準規格に沿っています。
標準教科書も出ていますので,
本講座では物足りないという人は,そちらを見てください。

 1.C言語の誕生

 2.C言語の仲間たち

 3.新しい言語をすばやく覚えるには

 4.Cでプログラミング

 5.データの入れ物 変数の考え方

 6.注釈・定数

 7.プログラムの実行順序

 8.配列

 9.C言語特有の代入文・制御構造

10.関数の話

11.構造体と共用体

12.ビット演算

13.プログラムの場所をポインタで

14.ファイルの入出力

15.色々な便利な方法